すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「や、ながわの、せい……だもん……」

 心臓が壊れてしまうんじゃないかと思って、無意識にブラウスの胸のところを片手で握って小さく抗議の声をこぼしながら柳川(やながわ)を睨んだら、存外近くで目が合ってしまった。

 お互いの前髪の毛先が触れ合ってしまいそうなぐらいの距離に、ぶわりと頬が熱を帯びる。

 途端、柳川が慌てたように掴んだままだった腕を離して、顔を背けてしまった。


「わっ、(わり)ぃ、頭撫でたりして。俺、すっげぇ軽率だった」


 柳川は私のことを4つ歳の離れた双子の弟たち同様、歳の近い妹か何かみたいに思っているのかな?

 今みたいに無意識に頭をポンポンッてされたこと、よく考えてみたら1度や2度じゃない。

 その度に、私は恥ずかしさに硬直したり、照れ隠しで憎まれ口を叩いたり。

 けど、喜びこそすれ、私はそれを嫌だと思ったことは、ただの1回もないの。

 寧ろ柳川に触れられるのは大歓迎だよって切ない吐息を落として。

 そこでハッとした。

 私、まだそのさんと付き合ってることになってるんだ……。
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