若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい

《3》


 プライベートプールでカナトに淫らな行為をされながら十五年前の記憶を思い出すことに成功したマツリカは、プールからあがった後も彼の手と口で愛撫を繰り返されていた。

「あ……ンっ、シーツ、濡れちゃ」
「あとで取り替えればいい。それよりももっと俺は人魚姫を愛したい」

 半裸の状態でベッドに寝かされ、彼の舌で全身の滴を舐めとられているマツリカは、彼にされるがまま甘い声で啼きつづける。首筋、脇の下、下乳、へその窪み……執拗に上半身を舐められて、マツリカの水着でたわんだ下半身はひくひくと陸に打ち上げられた魚のように跳ねていた。中途半端に脱がされた水着を人魚姫の尾鰭に見立てたのだろう、カナトは水着を脱がすことなく胸元ばかりを攻め立てる。

「カナトぉ……」
「いやらしい顔して、可愛い。このまま船から降りないでずっと部屋でいじめたいくらいだ」
「ダメだって……ひぅ」
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