義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した【中編】
 アルマジロトカゲの写真らしい。
 うわー、なんか確かにアルマジロみたいに継ぎ目みたいな鎧みたいな感じがあるトカゲだ。
 ドラゴンっぽい!
『和樹いわく、ドラゴンのしつけ方知ってるらしいよ』
『しつけ?ドラゴンって飼えるの?ちょっ、楽しすぎ!その発想楽しすぎ!続報求む!』
 続報って……。
 まぁいいか。
 和樹も中二病的話に付き合ってくれる人がいたら楽しいよね。
 ゆきちゃんが知りたいって言ってみよう。

 異世界ネタで、その日からずいぶん和樹と話をすることが増えた。
「あっ」
 和樹は、私と話をしていても、両親が来るとすぐに話をやめる。
 そういえば、両親には黙っていてくれって言ってたなぁ。
 さすがにあんだけ反抗しまくった反抗期見せてた手前、急に中二病とか知られると恥ずかしいんだろうか?
 私にはいいのか?
 ……まぁ、異世界転生小説も漫画もアニメも大好きだし……永遠の中二病的オタクな感じの人間だし……。
 和樹の理解者としての立場を確立できたってことかなぁ。
 ふふふ。
 和樹よ……。高校生になったら、本棚の表に並んでいない薄い本を君にも見せてあげよう。
 年齢制限ありなのは私もまだ高二なので手は出してませんから大丈夫。はい。
 まぁ、とりあえず私も気を使って、両親がいるところでは和樹と異世界話はすることはやめた。
 あ、そうだ。
「おーい、和樹」
 ゆきちゃんに頼まれた続報求のことを思い出して、夕飯後に和樹の部屋へ入る。
「ねっ、ねーちゃんっ!」
 めちゃ焦った顔をして、後ろに何かを隠された。
 あ、ごめん。ノックもせずに入ったけど。
 ぱたんとドアを閉めて、ノックする。
「和樹ー、入ってもいい?」
 真っ赤な顔。
 ほっぺを膨らました和樹がドアを開けた。
「ねーちゃんっ!びっくりするだろう!いきなり入ってくんなよっ!もし着替えとかしてたらどうするんだよっ!」
「え?いや、着替えとか……別に……」
 弟の着替えを見たからなんだっての?
「あ、いや、そうか、うん、着替え、着替えね……」
 着替えてたっていいわけするわけだ。
 そっか。姉ちゃん察しが悪くてごめんね。
「ちょっ、なんか変な想像しただろ!ち、違うからなっ!俺は、その……」
 真っ赤な顔の和樹がうがーっと頭をかきむしる。

■7
 え?
 やばい。また和樹に嫌われたら半年間口きいてくれない?
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