極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
「だって、あまりも現実味がなくて! 高坂先生に告白されるよりは宝くじで十億当たるほうがまだありえそうな話ですもん」

 あの高坂樹が繭のような平凡女子に告白なんて、妄想にしたって無理がある。そもそも、繭は彼のチームのパラリーガルではないの会話らしい会話をしたこともなく、樹はおそらく繭の顔すらうろ覚えだろう。

「え~。まぁ……そうね、たしかに」

 最初は反論する気満々だった美智子もすぐに繭の意見が正しいことに気がついたようで勢いが弱まっていく。ふたりは同時に「ふぅ」と深いため息をつく。

「高坂先生じゃね」
「そうですよ、高坂先生ですもん」
「あの皐月(さつき)先生ですら、相手にしてもらえなかったって泣いてたものね」

 皐月美鈴(みれい)はミリガン&ジェイのマドンナだ。樹に負けず劣らずの優秀な弁護士で学生時代は読者モデルをしていたほどの美貌の持ち主。おまけに性格もいい。その美鈴からのデートの誘いすら、樹はあっさりと断ってしまったらしい。『難攻不落』の異名ははったりではない。

(宝くじ当選なんて望んでない。あの好みにドンピシャな顔を毎日拝めるだけで十分よ)
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