極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
繭の異変に気がついた樹が、顔をのぞき込むようにして繭を見る。繭はおずおずと口を開く。
「やっぱりこれも冗談なんですよね。身体で払えなんて、本気にするほうがどうかしてました」
さきほどの発言と同じできっとからかわれているのだろう。少し冷静になれば、わかることだ。樹ほどの男がわざわざ自分なんかを抱く必要なんてないことくらい。
(むしろ、私がお金を払ってお願いする立場よね……)
本気にしてしまった自分の馬鹿さ加減とみじめさに、繭は涙をにじませる。その姿を樹に見られまいと、ぱっと顔を横に振る。
「はぁ」という樹のかすかなため息とともに、繭の身体はどさりとベッドに押し倒された。獲物を狙う獣のような目が繭をとらえて離さない。
「あんたは本当に男を知らないんだな。ホテルの部屋にふたりきり。この状況で、『冗談でした、帰っていいよ』なんて言う男がいると思うか?」
「高坂先生……」
「これは本気。覚悟はいいか?」
繭はじっと樹を見つめ、こくりとうなずいた。
樹との一夜は夢のようで……彼がアメリカに旅立ってしまったこともあり、わりと真剣に『やっぱり妄想だったのでは?』と思いはじめていた。ところが、ひと月後。突然やってきたひどいつわり症状と妊娠の発覚で、あれが夢ではなくまぎれもない現実だったことを繭は思い知る。
***
「やっぱりこれも冗談なんですよね。身体で払えなんて、本気にするほうがどうかしてました」
さきほどの発言と同じできっとからかわれているのだろう。少し冷静になれば、わかることだ。樹ほどの男がわざわざ自分なんかを抱く必要なんてないことくらい。
(むしろ、私がお金を払ってお願いする立場よね……)
本気にしてしまった自分の馬鹿さ加減とみじめさに、繭は涙をにじませる。その姿を樹に見られまいと、ぱっと顔を横に振る。
「はぁ」という樹のかすかなため息とともに、繭の身体はどさりとベッドに押し倒された。獲物を狙う獣のような目が繭をとらえて離さない。
「あんたは本当に男を知らないんだな。ホテルの部屋にふたりきり。この状況で、『冗談でした、帰っていいよ』なんて言う男がいると思うか?」
「高坂先生……」
「これは本気。覚悟はいいか?」
繭はじっと樹を見つめ、こくりとうなずいた。
樹との一夜は夢のようで……彼がアメリカに旅立ってしまったこともあり、わりと真剣に『やっぱり妄想だったのでは?』と思いはじめていた。ところが、ひと月後。突然やってきたひどいつわり症状と妊娠の発覚で、あれが夢ではなくまぎれもない現実だったことを繭は思い知る。
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