極上悪魔な弁護士が溺甘パパになりました
 触れている箇所から体温が溶け合うような感覚に、繭は静かに身を委ねた。まるでときが止まったかのように、高鳴る自分の鼓動だけが繭の耳に響いている。

 縁側に座り旬太の相手をしている樹の姿に、繭は思わず目をこすった。目の前の光景が現実だとは、とても信じがたい。

(高坂先生がうちの縁側に……)

「高坂先生、よかったらお茶をどうぞ」

 繭は縁側とつながる居間の和テーブルに緑茶を置いて、彼を呼ぶ。振り返った樹は腰を浮かせ、ひょいと旬太を抱っこして繭のもとまで歩いてきた。旬太は彼のネクタイを興味深そうに撫でたり、引っ張ったりしている。どちらかと言えば人見知りの旬太が樹には懐いていることに繭はとても驚いていた。

「すみません、旬太が騒がしくて」

 繭が軽く頭をさげると、樹はくすりとほほ笑んだ。

「いや。子どもは苦手と思ってたが……旬太はかわいい」

 そんなふうに言いながら、樹は旬太を抱っこしたまま畳にあぐらをかく。申し訳ないと思いつつも、旬太が落ち着いている様子だったので繭はそのまま樹に任せることにした。

「少し落ち着いたか?」

 樹の問いかけに繭はこくりとうなずく。時間が経って冷静になってきたこともあるが、樹がそばにいてくれるからという理由も大きい。
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