魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
『おお、そうじゃ、そうじゃ。2週間たったじゃろ?まちにまった2週間じゃ。こんなに2週間を長く感じたことはなかったぞ。いつもは2週間なぞ昼寝している間に過ぎてしまうというのに』
 ソワソワとした様子でネウス君の頭の上に座ったノームおじいちゃんが私を見ている。
 2週間?

『言っておったじゃろ、魔力回復薬は、出来上がるまでに2週間かかるって』
 ……2週間でできるかどうか分からないけれど、2週間は最低でもかかるっていうようなことは言ったかな?……そろそろ出来上がってる?
 っていうか、できたら教えるつもりだったのに、……もしかしなくても、待ちきれなかったんですね……。
 初めに仕込んだ樽は、温度管理のことを考えて洞窟に置いてある。収納鞄があるから持ち運べたんだけれど、収納鞄がなくても継続して作れるようにと、森の入り口の日が当たらない場所にも置いてあるものもある。いろいろまだ、実験段階なので。どこに置いてどうするのが正解か分からない。
 洞窟で発酵させたほうがいいようなら、実をつぶして樽に入れる作業なども洞窟の近くでしないといけないんだけれど、洞窟までの道が安全かまだ確証がないので小さな子供たちを洞窟に連れて行くのはねぇ……。
『2週間たった』
 ソワソワするノームおじいちゃん。
『もう、できておるかの?』
 ネウス君の頭の上で、モジモジするノームおじいちゃん。
 んーと、作業のキリが付いてから洞窟へ様子を見に行くつもりだったけれど……仕方がない。
『ユキ、ワシはユキを信じておったぞ!』
 ……。
「【封】」
『なんでじゃ!』
 私は信じてないんで。
「ネウス君、ちょっと精霊が呼んでるから、洞窟へ行ってくるね」
「あ、じゃぁ、俺も」
 ネウス君が慌てて作業を中断してついてこようとする。
「お姉ちゃん一人で平気だよ。ネウス君は、皆と一緒に作業をお願いね。ネウス君がいつも一番頑張って実をつぶしてくれるから助かるわ」
 よしよしと、ネウス君の頭をなでる。
 ふふふ。そう、私は、皆のお姉さんになると決めてからは、ネウス君も弟として扱っていますよ。
「ユキ……」
 頭をなでると、ネウス君は嬉しそうな照れたようなくすぐったい表情をする。ふふ。かわいー。やっぱいくらぐんと成長してもかわいい弟のままよね。きっと。
「モモも~!」
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