魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 ネウス君の頭をなでなでしていたら、モモちゃんが飛んできた。
「モモちゃんもいい子ー!」
 抱き上げて頬ずりする。
 この2週間ですっかりぷにぷに肉が付いたモモちゃんの柔らかいほっぺ。ふふ。
 この様子を、ドンタ君がうらやましそうに見ている。
 すぐにモモちゃんを抱っこしたままドンタ君のそばによって、ドンタ君に手を伸ばしてぎゅっ。
 さすがにモモちゃんを抱っこしたままもう一人抱え上げるだけの力はない。
「ドンタ君もいつもがんばっていてえらいよ!」

「え、えへへ」
 さらに、その様子をミーニャちゃんがうらやましそうに見ている。
 モモちゃんを下ろし、ドンタ君に託すと、ドンタ君がモモちゃんをギューッとしてあげてる。
 ドンタ君は5歳でもモモちゃんのお兄ちゃんしてるね。と、その様子をほほえましく見ながらミーニャちゃんに向かって両手を広げる。
「ユキお姉ちゃんっ」
 ミーニャちゃんが私の腕の中に飛び込んできた。
 美少女にぎゅっとされるなんて、日本にいた時の私に想像できただろうか(反語)。
 ミーニャちゃんが私を思い切り抱き着き、頭を私の肩あたりでぐりぐりと押し付けるようにしてから、ぱっと顔を上げる。
 ま、まぶしい。天使よ、天使。2週間前もかわいかったけれど、ガリガリじゃなくなったら、天使になりました。……これ、街を追い出されたよかったよねとか思わずにはいられない。
 魔力がない人間への扱いを考えると……魔力はないけど、綺麗な女の子が、どんな扱いを受けるのか想像しただけで身震いしちゃう。
 ああ、私も、ある意味眼鏡かけてて、おしゃれしてなくて助かったってことなのかな。ぽいっと捨てられただけで済んだのは。
 って、なんだか、街にたいするイメージが私の中でどんどん悪化していくのは、出会った人間が悪かっただけで、街に住む人にはいい人もいるよね?ダメダメ。まるっとひとまとめで悪く思っちゃ。
「ユキお姉ちゃん……」
 愛おしそうに私を呼ぶ天使。
 ああ、もうっ。2週間前に、皆のお姉さんになるって決めてよかった。
 やっぱりこの子たちはおばばさんに愛情をもって育てられていたけれど、愛情不足だったんだろうな……。こうしてぎゅっと抱きしめられることに飢えて……。
 そうだね。抱きしめられたいよね。いい子。大切な子。大丈夫。大好き。……いろいろな気持ちがハグ一つで伝わるんだもの。
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