魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 う。完全に出来上がってますよ、ノームおじいちゃん。
「ノームさん、飲みすぎは体に毒です」
『にゃにを言う、ワシは精霊だぞ、体に毒なわけなかろう、ひぃっく。うーん、なんだか周りがぐるぐるして見えるの、風の精霊がいたずらでもしておるのか』
 酔っ払っていますね。
「今日は、これが最後です」
 空になった器に魔力回復薬を入れてノームおじいちゃんの前に置く。

『最後じゃと?けちけちせずにもっとよこせ。ワシを誰だと思っているぅ。ひぃっく。三角帽子がおちゃめな土の精霊じゃぞぉ。よこさぬというのなら、どういう目に合うのか』
 ……。
「どういう目に合わせるんですか?私がお供えしなければ、二度と味わえませんけど、どういう目に合わせるつもりですか?私は、今日はこれでおしまいと言いましたよね?明日以降も、飲みすぎない程度にお供え続けようと思っていましたけど、そうですか、残念ですね」
 脅されたって怖くないよ。散々幽霊にひどい目にあわされてきたからね。10日くらい寝込んだこともあった。あの時は……そうだ。なんかぶつぶつと念仏を唱え続けてなんとか助かったんだっけ。……死ぬかと思ったよ。それからは、何かあったら除霊できる人を呼んでほしいと……隆にお願いしたんだっけ。
 ……うん。親は不気味がるだけで、霊のことも半信半疑だった。寝込んでいるときも、病気だろうと。病院には連れて行ってくれた。……ただし、ぶつぶつと念仏を唱え続ける私を見たきららの「叔母様、精神病院に連れて行った方がいいんじゃないですか?」という言葉で。もう少し続いたら入院させられるところだった。
『う、ぐぐ、ぐぐ、ワ、ワシは三角帽子がぷりちぃな土の精霊。土の妖精たちの王じゃ。……人に無理強いをさせるような悪い精霊じゃないぞ、いい精霊じゃ。な、ユキ、信じておくれ、ワシ、ひどい目に合わせたりしないからの?』
 ノームおじいちゃんがウルウルと目を潤ませている。
 ……あれ?おかしいな。なんだか、私がとても意地悪なことをしているようになってません?
 まぁ、なんだか、うまくできていることは確かなので。
 ローポーションの入っていた空瓶を取り出し、出来上がった魔力回復薬を詰めていく。
 これで劣化せずに保てるんだったよね。んー、これ、なかなか手間がかかる作業だ。
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