魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「本物だ!しかも、噂で聞いているもの以上だと思う。1滴しかなめていないが、魔力が全回復した……」
「陛下にご報告を」
 ざわざわと兵たちがざわめき、何か合図のようなものを打ち上げる。

 おっさん兵が手に持っていた小瓶と、投げ入れた小瓶は少しだけ立派な服装をした兵が手に持った。上官とかいう立場だろうか。
 すぐに、目の前に陛下とおつきの者たちが姿を現す。
 魔法かな。転移系の何かなのか……。
「陛下、あのものが、魔力回復薬を売りに来たと……」
「魔力回復薬だと?本物なのか?」
 またこのくだりか。
「はい、確かに。確認いたしました。お疑いならば鑑定魔法の使い手に鑑定させましょう」
 陛下のおつきのものが小さく頷いて近くにいた者に命じた。
 すぐに鑑定魔法とやらで魔力回復薬を鑑定したようで、その結果を陛下に耳打ちする。
「なっ。最上級魔力回復薬だと?まさか、実在したとは……それも、2本も……」
 すごく驚いた顔をしている。
 2本も?
「どこで見つけた」
 陛下が私の顔を見た。
「お前は、魔力ゼロの低級民……」
「今の言葉は取り消してください」
 低級民という言葉に反応する。
「生意気な。もうよい。さっさと魔力回復薬を置いて立ち去れ」
 陛下の言葉に、周りの者たちが魔法を放つ体制に入った。
 何なの。
 何なの。何なの。
 鞄から、魔力回復薬を取り出す。
「まだ、持っていたのか!よこせ!」
「なぜ、渡さないといけないのですか?低級民だから?魔力ゼロだから?」
 もう、怒りのメーター振り切れました。
 売るのはあきらめます。
 いいです。街の人たちと交流はあきらめます。
 無理です。
 魔力回復薬のふたを取って、ごくごくと飲む。
「ばかが、何をする、やめろ!それがどれだけ貴重なものか分かっているのか!」
 という言葉をに、ネウス君が落とした袋を拾い、さかさまに向ける。
 ばらばらと、魔力回復薬が袋から落ちる。30本くらいある。
「貴重ねぇ?へぇ?そうなんですか」
 瓶を一つ手に取って、再びふたを開ける。
「やめろ!それ一つあれば、街の封印を1年は維持することができる。それだけあれば、何年封印を維持することができるのか、分かっているのか!」
 陛下が叫ぶ。
 封印て、そのベールの話だよね?
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