魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
 なんか、地面に置いた剣とつながってはいるんだけど、足の先が細くなってゴムみたいに伸びて上空2mくらい舞い上がっている。
 器用だな。
「う」
 ディラの言う通り、木の汁はまずい。ひどい青臭さと、変な苦みと……。

 ……サボテンは美味しいという言葉が脳裏に浮かぶ。そうだね。普段飲んでいるものがこの味ばかりなら、サボテンの汁はご馳走だ。
 葉っぱはヨモギだと思えば苦くても食べられる。皮をむいた木の根っこも、ゴボウのようなものだと思えば食べられる。
 ただ、ヨモギもゴボウも毎日だと辛いだろうな。調味料もないから、辛いだろうな。かすかに泥くさい味の木の根。
 それから砂ネズミは、生臭さはあるものの鶏もも肉のような歯ごたえで食べやすい。
「おいしいね、ネウス兄ちゃん、オイラも砂ネズミ頑張って捕まえるよ」
「おいちー、すきー」
 子供たちはなかなかお肉を飲み込まなかった。
 口の中で何度も何度も噛んでいる。それほど、この肉はめったに食べられない飛び切りのごちそうなんだ。
 ……。収納鞄から食べ物を出すのは簡単だ。
 おばばが食べさせたいと言っていたパンも入っている。シチューも食べさせてあげたいと思っていた。
 だけれど……それでいいのかな。
 今だけならいい。私がいるとき、収納鞄の中身がある間は食べられるけれど。私がいなくなったら?収納鞄の中身が空になったら?
 中身が、無限なわけではないだろう。消費するだけの生活じゃ、いつかなくなる。それが、5年後か10年後かずいぶん先なのかもしれないが、いつかは問題じゃない。
 働かなければお金は入ってこないのと一緒だ。貯金があっても使い続ければなくなる。親のすねをかじり続けていても親がなくなったら困るだけだ。
 自分で手に入れる術がないと。消費するだけの生活は危険だ。突然それが立たれたときに困る。
 森の中は危険な動物がいるとネウス君は言った。だけれど、森のほんの入り口の木からは食べ物を取っている。
 どこから先が危険なのか。
 危険を回避する術はないのか。
 森にはどれだけの食べられるものがあるのか。
 ふと、大人がいないということを思い出す。
 森の奥に食べ物を探しに行って帰らなかったとか……?ぶるぶると身震いする。
「ごちそうさま」
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