魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「ユキ姉ちゃん、ミーニャ姉ちゃんを助けてくれてありがとう」 
 ドンタ君がにかっと笑う。
「それから、火もありがとうございました」
 ミーニャちゃんもにこりと笑う。
「ネウス兄ちゃんも、砂ネズミ捕ってきてくれてありがとう」
 なんて、いい子たち。ううん、違う。わがままなんて言っていたら生きていけないだけなのかもしれない……。
 20歳前後のネウス君。それから、12歳くらいのミーニャちゃん、5歳くらいの男の子のドンタ君。一番小さな2歳くらいの女の子のモモちゃん。
 それからおばば。おばば以外……大人はいないのだろうか?なぜ子供たちだけ?
「ありがとうネウス君。それから料理を作ってくれてありがとう。飲み物を取ってきてくれてありがとう。みんなありがとう」
 いろいろと疑問に思うこともあるけれど、今は笑って皆にお礼を言う。
「え、へへ。水魔法が使えないから、飲むのはあの木の汁なんだ」
「あの木の葉っぱと根っこの皮向いたものは食べられるんですよ」
 子供たちがいろいろと説明してくれる。
「これこれ、まずはご飯を食べるんじゃ。話は後でいくらだってできるじゃろう」
 いただきますと手を合わせる。
 ああ、そうだ。
「お供えいたします。お召し上がりください」
 と、小さくつぶやく。
 ディラはかろうじてコップと言えなくもない器を手にとり飲んだ。
『うへー、相変わらずまずい。でも懐かしい味だ。収納鞄を持っていないころは、森の中で水がなくなるとこれ飲んだよ』
 ひどく顔をしかめながらもディラは半透明に透き通ったコップの中身が空になるまで飲み干した。
 それから、木の葉っぱと根っこの芯のスープを食べる。
『う、うん、なかなか個性的な味だ……砂ネズミは干し肉よりうまいな」
 お下がりをいただきます。
 300年ぶりの食事。収納鞄には美味しいものたくさん入ってるはずで……。こんなまずい物よりもっとおいしいものを出せなんて言わなくて……、作ってくれた人に感謝して残さずに食べるの……。
「ディラは、いい幽霊ね。好きだわ……」
 悪霊にならないでいてね。
『え?好き?僕もユキのこと好きだよ!大好きっ!』
 にぱっと嬉しそうに笑うディラ。いや、どこをどうあれするとそうなるのか分からないけれど、舞い上がっている。
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