魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
「ディラは、私が危険を回避するための道具のことを教えてくれないんでしょう?そうよね。ディラに頼り切るのは私の我儘だったと反省したの。自分の力で何とかしようと思ったら、まずは重たい剣を持って行くべきではないと思ったの」

 そりゃ魔法の道具を使って生活を改善しようとは思った。
 でも、収納鞄の中身に頼り切りになるのと、いざというときに頼るのでは別の話だと反省。あんまり頼ってばかりだと、魔法の道具が当たり前になってしまう。「魔法の道具がないからできない」と思い始めたら本末転倒だ。
 少なくとも危険な獣とは何か私に説明もできないくらい、獣の姿はここでは見ないのだろう。
 ということは、まぁ、ちょっとくらい進んでもそうそう出会うことはなさそうってことだよね。
 少しずつ探索する距離は伸ばしていけばきっと大丈夫。……霊力のおかげで、危険が迫っていることはある程度虫の知らせで感じることができるし。……ああ、虫の知らせなんじゃなくて、私についてくれている守護霊様とかが教えてくれてるのかな。……残念ながら見えないんだけれど。
 それに、もし怪我したら、エリクサーがある。
 よし。いっちょやりますか!
 がさがさと枯草や落ち葉を踏みしめ、ときどきむにゅんと足が沈んだりしながら森の中を進む。
 足が沈むくらい柔らかい土か。落ち葉が堆積して栄養豊富な土ができてるのかなぁ?
「ユキッ!どこへ行くの!」
 振り返ると、ネウス君がいた。
「森は危険だよっ!」
「うん、おばばに聞いたよ。魔法が使えないと危険だと」
 にこりと笑って答える。
「私が住んでいたところでは誰も魔法は使えなかったけれど、森に入っていた。魔法がなくても森へは入れる」
 魔法が使えなくても火を起こせるを実践して見せたからなのか、ネウス君は私の言葉になんの疑問も持たずに頷いた。
「そうか!じゃあ俺も行くよ!」
 にっこり笑っているけれど、これはダメだ。
「危険がなくなるわけではないのよ?」
 ネウス君の顔が途端に曇る。
「危険なことがあっても回避する方法が魔法以外にもあるというだけ……そうね……例えば」
 収納鞄の中から、空になったローポーションの瓶を取り出す。モンスターを倒すと出てくるドロップ品と言っていたし、飲んだら瓶は消えるのかと思ったら消えなかった。
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