魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
『そうじゃ!ワシが地の精霊ノームじゃ。見てわからんのか人間。このとんがり帽子がチャームポイントじゃ』
 頭頂部が薄くなった頭に手を乗せるおじいさん。
『あああーっ!帽子がない!そうじゃった、あのくそ鳥めぇ、帽子を盗んでいきおったんじゃ。必死に抵抗したら、ワシごと飛んで……無念、力尽けてワシは落下してあの木に……ぐぐぐ』
 なるほど。ノームさんの話を総合すると、帽子を加えるか足でつかむか何かした鳥がいて、帽子を取られまいと帽子につかまって一緒に空を飛んで、力尽きたということかな。
『まったく。あの赤い帽子はおきにいりじゃったんじゃが。仕方がないのぉ』
 ふぅっと小さくため息をついて、地の精霊ノームさんがズボンの中から緑の帽子を取り出してかぶった。
『すまんかったの、人間。これでワシが地の精霊だと分かるじゃろ』
 どや顔のノームさん。
 ……帽子のあるなしだけでわかるわけもないんですけれど。
「ごめんなさい、あの、私の住んでいたところでは、えーっと、精霊に会うようなことがなくて……知らなかったです」
『ははは、どこに住んでいても精霊に会える人間なんて多くはないぞ。そうじゃなぁ。100年に一人くらいワシら精霊が見える人間がいるかどうかじゃ。よほど、魔力が高いか、魔力の波長が合うか、自然と一体化できるか……何らかの条件が整った人間しかワシらを見ることはない』
 ……すいません、魔力はないし、自然も少ない日本育ちです。っていうか、私は霊力があるだけで……精霊も幽霊も一緒にして……げふんげふん。これは口にしちゃだめなやつだ。
『ワシらが見える人間の中でも、精霊と契約できる人間はまずいないな。過去に10人ほどかのぉ。聖女と呼ばれた女が水の精霊と契約しておったかの。あとはそうそう、魔王との対戦した時におった賢者と火の精霊が契約しておったかのぉ』
 ぺらぺらとおしゃべりを続ける精霊ノームさん。
「ユキ、次はこっちの枝を揺らすよ」
 ネウス君の声に見上げると、私の真上の枝を揺らそうとしている。
「ああ、うん、今退くね」
 ノームさんが私の手の平に乗ったままふむと小さく頷いた。
『なんじゃ、実を落とすために枝を揺らしておるのか。めんどくさいじゃろう。木ごと揺らしてやろう』
「え?そんなことができるんですか?」
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