契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 それは今からだって同じではないんだろうか?

「まあ……しばらくは物議を醸すな」
 ため息交じりに槙野が言うと、美冬はガッツポーズをして槙野に笑顔を向けた。

「助け合おうね!」
「おう」

 美冬のこういうところだ、と槙野は思う。

 こういうところを見るたび、美冬を選んで良かったと思い知らされるのだ。

 槙野に助けられるだけではない、美冬も一緒に何かをしようとする。
 しっかり自立していて本当に魅力的だと思うのだ。

 自立いるところも、大胆なようでいてその細やかな気遣いにも触れるたびに惹きつけられるばかりなのが槙野には本当に悔しい。

 片倉は口元に笑みを浮かべつつそんな二人を見ていたのだが、それには二人は気づいていなかった。

「で?」
 ホテルのラウンジのソファでとても長い足を組んで、座っている片倉が二人に笑顔を向けた。

 なぜか知らないが、美冬は片倉の向かいに座らされているのだ。
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