契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 そんな人たちと一緒にいた槙野が美冬の方に歩み寄る。
「美冬」

「祐輔、驚いたわ」
「祐輔⁉︎」
 片倉初めその場にいた数人がぎょっとする。もちろん、杉村も、石丸もだ。

「あ。片倉、紹介しとく。俺の婚約者」
「こ、婚約者ぁ⁉︎」
 紹介された当の片倉よりも周りへの影響が大きすぎる。

「ラウンジに移動しようか?」
 片倉はにっこり笑った。

 杉村と石丸には後で説明するからと伝えて、片倉と女性と槙野と美冬の四人でホテルのラウンジに向かった。

 美冬は槙野のスーツの肘をつん、と引っ張る。
「ん?」

「正直、すっごく助かったわ。指輪からあの二人にどうして槙野さんなんだって迫られていたから」

 槙野は苦笑する。あの二人が杉村と石丸であることは分かったし、先ほども石丸はなんで⁉︎という目で槙野のことを見ていたから。

「分かった。後で俺が説明してやろうか?」
「いいの? でもすごく根掘り葉掘り聞かれるかも」
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