契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした

13.落ち着いて

「業務提携、か……」
「うちでは他にもいろいろ考えたけどな」

 資料の中に『(仮)』と書かれたプラン案があり、美冬はその中身を確認してゆく。

「本当は今のミルヴェイユとは違うセカンドラインを販売することはどうなんだと思った。今のミルヴェイユのターゲット層はキャリア、セレブ層だろう? それに憧れる層をターゲットにしたセカンドラインブランドを作るとかな」

 ブランドを新たに立ち上げるということだ。
 新たなブランドなんて発想は美冬にはなかった。

「それは片倉に却下されたよ。壮大過ぎるし現実味がないと言われた。第一金がかかると言われたな」

 そう言って槙野は苦笑しているが、活き活きとした瞳はまるで少年のようだ。

「社内で揉んでくれてたの?」
「それはもちろん。うちでやる以上は様々な角度から分析、発案する」

 それは、美冬だけでは思いつかなかったことで、服のことばかりを考えている社員からも出てくることはない意見だろう。

「セカンドラインブランドかぁ……。きゅんきゅんするなあ」
「いい案だろ?」
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