契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「美冬っ……美冬……」
耳元で深く甘い声で何度も名前を呼ばれながら、美冬は高みに登りつめた。

「大丈夫……か?」
「ん……」
 美冬はちらりと槙野を見る。

 こんな風になってしまったら、その滴るような男性らしい色気にくらくらするくらいだ。

「あのね……引かないでほしいんだけど、思ったよりその……気持ちよかった」

「へえ?」
 ん?

「俺も1回じゃ収まりつかねーかもって思ってたからちょうどよかった」
 槙野がにっと笑い、美冬の胸元にキスを落とす。

「え? いや、そういうんじゃなく……て、祐輔っ!? だめっ! やぁん……っ」

 散々に貪られるようにしてされた美冬はその日、半分意識をなくすように眠りについたのだった。

 ──確かに優しかったし、すっごく良かったし、またしてもいいかなってちょっと思ったよ!?けども、あんな……あんな朝方近くまでするものなの!?

 ふわりと意識が遠のきかけた時、美冬の目に入った時計は二時を軽く越えていたのだ。
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