契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
(あれ、ちゃんと本気だったんだわ)
 その後は特に連絡もなかったので、夢でも見ていたのかと美冬は疑いだした時期でもあったから。

 美冬は手帳を確認する。
 今日は夜も特にアポイントメントは入っていない。

『時間はありますので、よろしくお願いします』
 そう送り返すと、すぐに返事があった。

 メールには駅前のタワーの最上階のレストランのURLが貼ってある。
 そこの個室を用意した、ということだった。

 そして、連絡先を返送してくれと書かれてあったのだ。
 そう言えば、個人携帯やメールアプリなどの個人情報の交換はしていなかった、と美冬は個人携帯の連絡先をメールに添えて送った。

 美冬は社長室のパーテーションの奥にある全身鏡を見る。
 美冬がお出かけ前に必ずそこで全身をチェックしてから出るためだ。

『ミルヴェイユ』のスーツはカッコいいけれど、フレンチレストランにはどうなんだろう?
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