契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 少し考えた美冬はデザイン室に向かった。
「あ! 社長! こんにちは!」
「お疲れさまー」
 デザイン室に入ると美冬は社員達に歓迎される。

「どうしたんです?」
「私がデートに行く、として服を着るとしたらどんなのがいいかしらね?」

 そう言って美冬が首を傾げると、猫の耳がピンっとした時のような表情になる社員達である。

「社長! デートですか?」
「するとしたら、だってば」
 社員にとって、美冬は美人で自慢の社長なのだ。

「夜の高層ビルのフレンチレストランで結構高級な雰囲気のお店かな」

 ちょっと特別な気分で特別な服。
 まさにミルヴェイユのコンセプトにぴったりではないか。

「社長! これはどうですか?」
 そう言ってスタッフが持ってきたのは、ピンクのワンピースで肩が出ているデザインだ。

 けれど、その上を品のあるベージュのチュールで包んでおり、袖も長めなのでセクシーになりすぎず可愛らしい。ウエストと袖がサテンで飾られているのもいい。
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