契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 そんな石丸が、美冬を呼んだ。
 手に持っているのはウェディングドレスだ。

「え!? それって!?」

「この日のために完成を急いだんだよ! 早く着替えて! 僕も出なくちゃいけないから!」

「え? えーっ!?」
 早く!早く!とみんなに急かされる。

 皆知っていたのだ。
 美冬のためのサプライズ。

 あれよあれよと服を剥かれて、さっさとメイクをされ、着替えさせられる。

 石丸がデザインした美冬のためのウェディングドレスは華やかなレースで彩られた品のあるミルヴェイユらしいデザインだった。

「すごい……可愛い」
 ウェディングドレスなんて結婚式当日しか着ないと思っていた。

 けれど、こんな機会に着ることができるのは本当に嬉しいし、石丸のデザインをみんなに見てもらえるのも嬉しいと思ったその時だ。

「お、さすが、すげーいいじゃん」
 黒のタキシードを着ている槙野が美冬を誉める。

 きっちりとまとめた髪。さっきまでそんな風にセットしていなかったくせに。
 身長も高い槙野はタキシード姿も映える。
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