契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「これくらいでもいいけどな。美冬が欲しいものにしたらいいけど、あまり高いのは無理だぞ」

 これぐらいでもいいけど、と別のブランドの画面を見せられる美冬だ。
 今表示されている指輪の金額は300万円である。

 いや……違うくて、さっきのが不満だったとかそういうことではなくて……。

「えーと、これより高いものはおねだりするなっていう……」

「まあ、これぐらいならいいけど」
 槙野はさらっと言う。

 じゃあ無理な高いのっておいくら万円の想定なの?こわっ!!金銭感覚おかしくない?!

「適当でいいよ」
「じゃあ、今度見に行こう」
 美冬は深く考えないことにして、こくりと頷いた。もうおまかせにしよう。



「美味しいものは人の心を癒すのね」
「おお、美冬語録か?」
「事実です」

 とても美味しい焼鳥と、とても美味しいお酒を頂いて、美冬はご機嫌だった。

「お前、酔っ払ってんの?」
「酔ってないもん」

「酔っ払うなよ。適当にしておけよ」
 酔ってはいない。ただ、ふわふわとして気分が良いだけだ。
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