雨降り王子は、触りたい。
下駄箱で会話をして、全員予定がなかったらどこかへ寄り道する。
それが私たちのお約束になっている。
そんな話の流れに、私の顔は強ばる。
「私もお腹空いたんだ〜絃は?」
「あ、あー、私は…」
………どうしよ。
別に、三咲とカフェに行くなんて、大したことじゃない。
だからパッと口に出せばいいのに。
思うように口が開かない。
だって素直に話せばきっと、「やっぱいい感じなんじゃん」とか言って、冷やかされるに決まってる。
そんなの恥ずかしさで死ねる……!