雨降り王子は、触りたい。
……あぁ最悪だ。これはもう、盛大にバレるパターンだ。
もうどう足掻いたって、意味がない。
ため息と共にローファーを地面に落とすと、でっかい声が耳を通った。
「か、かわいい………!!!!」
この声量はもちろん、杉山だ。
顔を上げるとその銀髪の男は、目を見張っていた。
その視線の先にいるのは────。
……なるほど。
杉山の視線を辿ると、そこには危険を感じて和佳の後ろに身を隠した子うさぎが1匹。
「な、なんなのよ…」
まるで虫を見るような目をして、のえるが言った。