雨降り王子は、触りたい。
校舎裏に着くと、私は三咲の腕をパッと放した。
「…ここまで来たら大丈夫。」
予想通り、人気がない。
ここならゆっくり三咲と話せる。
私は満足した表情を浮かべる。
………よしっ。
振り返ると、三咲は俯いて、先ほどまで私が掴んでいた腕を反対の手でギュッと握っていた。
そして───
「…なにがだよ。今が1番、大丈夫じゃない。」
ぼそっと、小さな声が聞こえる。
顔を上げた三咲の目は刃物のように鋭く、私を切りつけるかのように睨みつけた。