雨降り王子は、触りたい。
無言のままこちらを見る三咲。
その試すような視線に、私はだんだんと顔を逸らしたくなる。
そもそも三咲は女が嫌いだと噂されていて、そうじゃないとしてもおそらく、私のことはいいように思っていない。
そんな奴に、昨日泣いていたことを掘り返されて、理由を話せって迫られて。
冷静に考えてみれば、三咲にとってはいい迷惑でしかない状況だ。
「言いたくないなら、」
いたたまれなくなった私が口を開くと、
「………そう。」
同じタイミングで口を開いた三咲の声と、重なった。