雨降り王子は、触りたい。
「ちょ、え、」
私は逃げるように1歩、2歩と後退りする。
「なんなの、」
もしかして殴られる…?
私はいよいよ、校舎の外壁に追い込まれた。
もう、逃げ場はない。
かつてないくらいの三咲との距離に、私の顔は少し、熱を帯びる。
そんな私とは反対に、こちらを見下ろす三咲は、顔色を変えず真面目な顔つきをしている。
「特別。理由、教えてやる。」
────カチャッ
三咲が細くて白い指でメガネを外した。
そしてスーハーと、何やら意を決したように深呼吸をする。