極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 その時、濃紺のかっちりとした制服を着た四、五十代くらいの欧米人の男性が数人のクルーを連れて部屋に入ってきた。華やかな金モールで装飾された白い帽子。上着の肩章に四条の金色のラインが入っている。
 セレブリティクイーンの船長だ。

「セレブリティクイーン号キャプテンのアーロン・テイラーです。ミスター・カイドウ、ミズ・ミツイ、このたびは本船の中でこのような事件が起こり、大変残念です」

 綺麗なクイーンズイングリッシュであいさつした船長さんが、ソファーの横に立ったまま帽子を取り胸に当てる。
 翔一郎さんと将生さんが立ったので、わたしも慌てて立ちあがった。

「キャプテン・テイラー、こちらこそ我が社の社員がこのような問題を起こし申し訳なく思っています」
「いえ、どうぞおかけください。ミズ・ミツイ、お怪我の具合はいかがですか?」

 穏やかに話す船長さんはわたしたちが座ると一緒にソファーに腰かけた。
 わたしは船長さんに向かって微笑んだ。
< 188 / 252 >

この作品をシェア

pagetop