極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 純白のウェディングドレスには、試着した時にはなかった長いトレーンがつけられていた。
 青い階段に広がった薄く繊細なトレーンとロングベールのレースは、セレブリティクイーンのうしろに広がる真っ白な航跡波のようだ。

 周囲の目も気にせずわたしの全身をまぶしそうに見るまなざしが恥ずかしくてうつむくと、船長さんが「ゴホン」と咳払いをした。それほど多くはない人数のゲストから思わずといったかんじの笑いがもれる。
 船長さんはとりあえず自分に注意を引きつけておいて列席者にわたしたちを紹介し、これまでセレブリティクイーンで結婚式を挙げたゲストのことや、いかに今日の結婚式が素晴らしいかということについて話しはじめた。

 結婚式には、将生さん、バトラーのエリオットさん、ドレスショップのリサさんやスタッフの女性たちも列席してくれていた。偶然近くを通りかかった乗客にもチャペルに入ってもらっている。
 そして、その中にはジュエリー・オークラのお嬢様、綾乃さんとそのお友達もいた。

「海堂様、本当に素敵……」
「船が出航するまで婚約者様を隠していらしたなんて意地悪だわ」
「今回の旅がチャンスだと思って、急遽チケットを取りましたのに」
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