離婚するはずが、心臓外科医にとろとろに溶かされました~契約夫婦は愛焦れる夜を重ねる~
「そうか……つまらない事を聞くようだが、君らは血が繋がった姉弟なんだよな?」
「暁斗さんったら。確かに遼介だけが賢く生まれたし、顔も整ってて私と似た所無いって思うかもしれないけど、目元だけはふたり共母に似てるって言われるんですよっ」

 姉弟の格差があり過ぎて、血のつながりを疑われたらしいと思った凛音は苦笑して反論する。

「……いや、本当ににつまらない事を聞いた」

 暁斗はなぜか居心地の悪そうな顔をすると、プリンの容器を手に持ち小さいスプーンで掬う。
 可愛らしい容器と小さいスプーン、暁斗の大きくて無骨な手のギャップに微笑ましくなってしまう。

「甘いな」
「苦手ですか?」
「……いや、甘いけど旨い」
 また買ってくると彼は言った。



 それからの日々は平穏に過ぎて行った。

 暁斗の生活をサポートしながら凛音も病院での仕事を続けている。

 彼が短い時間でも昼食を取れるよう、簡単に食べれる弁当を持たせたり、当直の日は夜食を届けたりしている。

 凛音の業務シフトは考慮されているものの、医者の妻と病院事務職員との両立は中々慌ただしい。
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