クローバー

男はごめんねと言いながら、申し訳なさそうに謝る。身長こそ私より高いものの、その困り顔は女の私よりも可愛くて、私って女?と思わず自問自答してしまった。


「僕の名前は、悠斗。こんな可愛い妹が出来て嬉しいな」


えへへっと、照れたような笑をうけべている。


うっ。可愛いっっっ。こんな可愛い男の子いるんだ。兄って言うよりも弟ってかんじだな。


人通り新しい家族の自己紹介を聞いて、部屋を出て学校を行こうとした。自己紹介まではなんとか聞いたが、この空間から早く出たくて出たくて仕方なかった。


「文乃!待ちなさい!これから貴方の新しい家族になる人達よ?挨拶しなさい!」


新しい家族?ぶさけるなよ。あんたが勝手連れてき赤の他人だろ?私はこの人たちの事家族となんて思わない。それに向こうだって歓迎してたいみたいだし。


1人は態度にだだ漏れだけど、あとの3人は隠してる。私にはバレバレだけど。
胡散臭い笑顔。私を見る目。雰囲気。


あんたらは私を敵として見ている。
ふっ。笑わせるなこれのどこが家族だよ。


まぁー、私もあんたらに関わりたくなくて敵視した目で見てたからお互い様だけど。


「四宮 文乃《しのみや ふみの》。家族ごっこなんてするつもりないから安心して?」


そう言葉を残して家を後にした。
後ろから母さんの声が聞こえたけど、あの人の言うことなんてどうでもいい。










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