天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 仕事に対する意識が低いうえに、男にすり寄り媚びるような目で見る。とくにパイロットに対する態度はあからさまだった。

 真面目な志田が、そんな彼女を結婚相手に選ぶのは意外だ。

 そう思っていると、志田が慌てた様子でやって来た。

「れいな。結婚って、なに言ってるんだ」

 自慢げに結婚の話を続ける安本の腕を掴み止めさせる。

「あ、まだ話しちゃだめでした? おめでたいことだから、早く報告したほうがいいと思って。私、結婚したら仕事やめる予定だし」
「そんな予定、聞いていないけど」
「え、志田さん。れいなの専業主婦になるって夢をかなえてくれないんですか?」

 安本が上目遣いで志田をみつめる。
 かわいらしく拗ねているつもりなのかもしれないが、傍から見ているとあざとさしか感じない。

「ひどい。れいなのこと、騙したんですか?」

 安本に詰め寄られ、志田がぐっと言葉に詰まる。

「そ、そういうわけじゃないけど。決まってもいないことをぺらぺら言いふらされると困るだろ」
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