天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「だから、翔さんの気持ちには答えられないです。ごめんなさい……」

 泣くのをこらえながら謝る彼女が、愛おしくて仕方なかった。

 真面目で臆病で、お人好しで優しくて、どこまでも真っすぐで。
 不器用ながら必死に頑張ろうとしている彼女を抱きしめて甘やかしたかった。

 だけど、これは里帆の問題だ。

 彼女が自分の力で不安を乗り越えるまで、俺にできるのは見守ることだけだ。

「里帆の気持ちはわかった。話してくれてありがとう」

 言いながら手を伸ばし、里帆の髪を優しくなでる。

「里帆が自信を取り戻すまで、俺は待つよ」
「待つって……」
「何年でも、何十年でも。里帆がパイロットの俺と付き合ってもいいと思える日まで」
「なに言ってるんですかっ」

 俺の言葉を聞いて、里帆が驚いたように顔を上げた。

 うるんだ目で見つめられ、あぁやっぱりどうしようもないくらい彼女が好きだと実感する。

「翔さんとお付き合いしたいと思う女性はいくらでもいるんですから、私なんかに執着しなくても」
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