天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 口では色々言っていたけど、あの子はあの子なりに尚久のことが好きだったんだと思う。

「見返したいって気持ちだけじゃなく、きっと彼女は前から尚久に惹かれていたんじゃないかな」
「うん。そう言われた。俺は覚えてないんだけど、パンプスで靴擦れしたときに絆創膏をくれたとか、両手が塞がってるときにドアを開けてくれたとか。優しくしてくれたから、結婚するならこの人がいいって思ったんだって。でも、そんな些細なことで好きになるって、こどもかよってあきれた」
「みんなから陰口を言われて傷ついていたから、余計嬉しかったんだろうね」
「そうなのかもな。れいなはひねくれてるし身勝手だけど、そういうところに気づいたら、なんか放っておけなくて。ちゃんと付き合うことにした」

 そう言う尚久の表情はふっきれたようにすっきりして見えた。

「そっか。私が言うのもおかしいけど、大切にしてあげてね」
「うん」

 尚久は少し照れた表情でうなずく。

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