天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 そんなことをされても怒りも動揺もしないなんて、本当に頼もしいし、人としての器が大きすぎると思う。

「だから、もし里帆の家族に結婚を反対されたとしても、俺は何度でも頭を下げるし、絶対にあきらめないから安心してくれ」
「翔さん……」

 優しく微笑まれ、きゅんと胸がときめいた。

「本当に大好きです」

 私が抱き着くと、翔さんは幸せそうにこちらを見つめる。
 そして大切な物に触れるように、私の額にそっとキスをしてくれた。

 そのままふたりでベッドに倒れこみ、じゃれ合いながら頬や鼻の先に短いキスを繰り返す。

「愛してるよ、里帆」
「私も愛してます」

 そう言うと、翔さんがやわらかく微笑んでくれた。

 彼の肩に腕を回し、艶のある黒い髪に触れる。
 形のいい耳や、精悍なあごのライン、色っぽい首筋。
 ひとつひとつ確かめるようにそっと触れる。

 翔さんはそんな私のことを優しい表情でながめていた。

 こんなに素敵な人が、私を愛してくれているんだ。

 そう実感して泣きそうになる。
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