天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「いや、それよりもずっと前。この場所で会ったときのことだ」
「この場所で……?」

 里帆は不思議そうに瞬きをする。

「私と翔さんは、前にここで会ったことがあるんですか?」

 案の定まったく覚えていない彼女に、俺は「さぁ?」と答えをはぐらかす。

「さぁって……。そんなことを言われたら気になるじゃないですか。教えてくださいよ」
「俺ばかり里帆を好きで悔しいから、秘密」
「いじわる。私だってこんなに翔さんのことが好きなのに……」

 不満そうな顔をする里帆を抱き寄せ、綺麗な髪に短いキスをする。

「いつか話すよ」


 そうささやいて小さく笑った。

 いつかちゃんと話してあげる。

 里帆は覚えていないだろうけど、俺が君に出会ってひと目で恋に落ちた話を。




END


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