天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~

 ネクタイの結び目に指をかけ、緩めながらこちらを見下ろす。
 扇情的な表情が色っぽくて体が熱くなる。

 本当は、出会ったときから惹かれていた。
 一日一緒にいるだけで、恋に落ちるには十分だった。

 だけどこれは夢だってことも、ちゃんとわかってる。

 この一夜はパリという美しい街が起こしてくれた奇跡で、もしも日本で出会っていたら、翔さんは私なんかに興味を持たなかっただろう。

 こんな素敵な人に恋をして、どんなに本気になっても、旅行が終わり日本に帰ればそれぞれの生活が待っている。

 これは一生に一度の、贅沢で美しい夢だ。

 そう自分に言い聞かせる。

 そんなことを考えていると、翔さんが私の首筋に優しく歯をたてた。

「ん……っ」

 甘くしびれるような痛みに背筋が跳ねる。

「余計なことは考えるなって言っただろ。今は俺のことだけ見ていろ」

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