天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
涙目で彼を見上げ、慌てて首を振る。
「私、いつもはこんなじゃないんですっ」
「こんなって?」
「キスだけで気持ちよくなるのも、どこを触られても感じてしまうのも、体の奥が熱くて溶けてしまいそうなのも全部はじめてで……。今日の私、おかしいのかも」
翔さんは、必死に言い訳をする私を見つめていた。
その視線に獰猛な獣のような色気が浮かんでいく。
片方の口端を上げて、意地悪に微笑んだ。
「そうやって煽るなよ」
「あ、煽っているわけじゃ」
「こんなに乱れるのがはじめてってことは、相手が俺だからだろ?」
確信を持った声でささやかれ、頬がかぁっと熱くなった。
「ちが……っ」と否定しようとしたけれど、言葉にできなかった。
翔さんの長い指が私の体の奥に触れる。
それだけで腰がびくんと跳ねた。
「もっとってねだるみたいに俺の指を締めつけてくる。そんなに気持ちがいいんだな」
翔さんが耳元でくすりと笑った。