天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
頬にやわらかな風が触れ、閉じた瞼の裏に光を感じた。
そして、どこからか鳥のさえずりが聞こえてきた。
朝が来たんだと気づき、ゆっくりと目を開ける。
白いレースのカーテンが風に揺れていた。
白い格子戸の窓の向こうに、青い空とエッフェル塔が見えた。
目が覚めたというのに、まだ夢の中にいるみたいに美しい景色だった。
「綺麗……」
ベッドの中でぼんやりしていると、「起きた?」と声をかけられた。
振り向くと、バスローブ姿の翔さんがベッドサイドに立っていた。
ゆるく合わせた襟元から逞しい体が見えた。
昨夜のことを思い出し、頬がぶわっと熱くなる。
「あ、あの……、おはようございます」
恥ずかしくて目線が合わせられない私とは対照的に、翔さんはゆったりと微笑み「おはよう」とうなずく。
「里帆、体は大丈夫か?」
「あ、はい」
「よかった。昨日は無理をさせたから」
その言葉に、体の奥がきゅんとうずく。
激しく抱かれてくたくたになってしまった私を、彼はとことん甘やかしてくれた。