天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 翔さんがパイロット!? しかも、元カレの尚久と同じ会社の。

 信じられなくて、めまいがしそうだ。

「蒼井さん、どうしたんですか?」

 私が冷や汗をかいていると、富永さんにたずねられた。

「ええと、あの……」

 動揺する私の顔を見て、富永さんの表情が険しくなった。

「――もしかして、蒼井さんの元カレってこの人ですか?」

 警戒モードの富永さんが、翔さんを睨みながら小声で私に問う。

「違う違う!」と焦りながら首を横に振った。

 私が変な反応をしたら、『どういう知り合いなんですか?』と根掘り葉掘り聞かれるに違いない。

 パリで出会った男の人と一夜を過ごしたなんて知られたら、またみんなに言いふらされるかもしれない。
 それだけは避けたい。

「ただ、ちょっと、その……っ」

 なんとか取り繕おうとしていると、翔さんの隣にいた男性が「矢崎みたいな背の高い男に、急に背後に立たれたら怖いですよね」とフォローしてくれた。

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