天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 パリで出会ったときのラフな格好の彼も、スーツを着た彼も素敵だったけど、パイロットの制服姿はさらに魅力的だった。

 もう会うことはないと思っていたのに、こんなところで再会するなんて……。

 私は無意識のうちに首から下げたストラップに触れる。そこにある小さな鐘の形のチャームをぎゅっと握りしめた。



 


 案内され外階段からコックピットに入る。

 間近で見る飛行機はビルのように大きいのに、操縦するコックピットは驚くほど狭い。

 隙間なく並ぶ計器やスイッチを目の当たりにするとその数に圧倒された。
 パイロットはこの複雑な機器をすべて把握し空を飛ぶのだ。

 操縦席の後ろにある折り畳み式の補助座席に座り、静かに離陸のときを待つ。

 搭乗してからも、機長である翔さんは忙しそうだった。
 整備担当と話をし、ひとつひとつ計器をチェックする。

 専門用語が飛び交っていて内容はわからないけれど、真剣な表情がかっこよく見えて勝手に鼓動が速くなった。

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