天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 そんな自分に落ち着けと心の中でつぶやき深呼吸をする。

 すべての確認を終えた翔さんは、なめらかな鹿革の白のグローブを手にはめた。
 きゅっと革をひっぱり長い指にフィットさせると、手首についた留め具を締める。
 黒い制服と白いグローブの対比が鮮やかで、ストイックなのに色気があった。

 武骨な操縦桿を握る長い指。
 大きな機体を操るあの指に体中を愛撫され喘がされた。
 そんなことを思い出し、体温が上がる。

 なにを考えてるんだ。
 今は搭乗訓練中なのに……っ。と慌てて雑念を頭から追い払う。

 操縦席に座るパイロットは、グラウンド、タワー、ディパーチャーとそれぞれの部署を受け持つ管制官と順に交信し、機体はスムーズに離陸した。

 順調に高度を上げ巡航に入る。

 それまでの一連の業務を見ているだけで、翔さんが有能なパイロットだということがわかった。
 すべての動きに無駄がなく、しかも判断が早くて的確だ。

 自動操縦に切り替わり、コックピットの緊張がわずかに緩む。

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