天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「たしかに。コックピットは狭いしおふたりとも長身だから大変そうですよね」
「矢崎も僕もでかいから圧迫感ありますよね。狭苦しくてすみません」
「いえいえ。イケメンパイロットさんの操縦する姿を見られて嬉しいです」

 富永さんは芦沢さんと会話を弾ませていた。

 私はさりげなく手を伸ばし、富永さんの服のすそを掴む。

「富永さん。見学のために搭乗させてもらってるんだから、私語は慎んだほうが……」

 小声でたしなめると、その声が聞こえてしまったのか、翔さんがこちらを見た。

「大丈夫ですよ。巡航中は自動操縦ですし、コックピット内での私語は禁止されていないので」

 制服姿で操縦席に座りヘッドセットを付けた彼はかっこよくて、視線が合うだけで心臓が跳ねた。

 その上、余所行きの敬語で話す彼は紳士的なのに色っぽくて、妙にドキドキしてしまう。

 落ち着け私。今は搭乗訓練中で、これは仕事なんだから。

「よかった! フライト中におしゃべりしても大丈夫なんですね」
< 96 / 238 >

この作品をシェア

pagetop