Colorful
楓の言葉に部屋の空気がグッと重くなり、冷たくなる。誰も発言ができない。無言の圧力が全員にのしかかる。

楓は見た目とは裏腹に非常に辛口で、口を開けば厳しいことばかり言う。絵が上手な部員たちに対し、「ここの色彩おかしくない?眼科行ったら?」などと言い、泣かせてしまうことも少なくない。若葉も何度か言われたことがある。

しかし、顔立ちが整っているため女子部員からは「王子」と呼ばれ、彼目的で入部した人もいる。だが、若葉は楓に対してときめくことはなく、むしろ怖い存在としか見えない。

「あ、あの〜……」

重苦しい空気の中、副部長がゆっくりと手を挙げる。そして全員を見渡して言った。

「ちょうど全員揃ったし、文化祭について話をしないとなぁ〜って思って……」

「ああ、俺は後輩を一人選ばなきゃいけないんだっけ?」

副部長が言ってくれたおかげで、楓の目が少し元に戻り、重苦しい空気が少し軽くなる。多くの生徒が安堵するのが見えた。

きっと楓が選ぶのは一番絵が上手な彩葉、そう誰もが思い彩葉と楓を交互に見る。若葉も喜ぶ彩葉の顔を焼き付けようと、彩葉をジッと見ていた。しかし、手をグッと掴まれて引き寄せられる。
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