こんなにも愛しているのに〜私はましろ
部屋はきれいに片付けてあった。
あの二人は、基本できるほうがするというスタンスなので
二人とも忙しくなったら悲惨な状態になる。

ごはんも外食が主となり、
それが度重なって
二人で同じように悲鳴をあげて
私や母に泣きついてくる。

今日は
理恵おばさんのリクエストでハンバーグ。
お子様メニューだが、
私や母が作るハンバーグは
フワッとしてジューシーでとてもおいしいらしい。

「どういうわけか、私たちが作ると、がっちりと硬くって
パサついているのよね。」

ということだ。
副菜にフルーツを使ったサラダと
ブレンダーを使ってポタージュを作る。

お行儀悪くお昼のサンドイッチを食べながら
サラダやポタージュを作り
ハンバーグは焼くだけに仕込んだ。

リビングの窓をいっぱいに開けて
初夏の風を入れながら携帯を取り出して
小説を読む。

時々
空を見ながら

『お母さんと同じ姿、、、
ぼ〜っとしたくなると、自然と空を見る。』

母は
私と同じその姿で、きっと父のことを考えているのだろう。
洗濯物を畳む手が止まって、よく、空を見ている。

自分を裏切った人なのに、それほどまで好きなの。。。

私にとっての父と母なので
二人が男と女ということが、よく理解できない。
そもそも
男と女が何なのかわからない。

だが
私のために離婚するという選択は、してほしくなかった。

離婚でもそうでなくても
私を理由にしてほしくなかった。

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