こんなにも愛しているのに〜私はましろ
父親からは前の時以上に殴られた。
母親は泣きながら、そんな父親を止めていた。

「俺はそんなに頼りない親か。。。」


父親は泣いた。

千花は父親から2度とうちの敷居を跨がせない、と激しい口調で言われ
母親も俺も彼女の連絡先を消去され、千花にうちに近寄ったら、それなりの
制裁をすると、弁護士の前で宣言された。
 
千花は何も言わずに、俺らの前から姿を消した。

国松先生が女性の弁護士さんを連れて来た。
学校との対応に動いてくれのだが、正直俺はもうこれで退学が決まったと
思っていた。

また
知っていて何も言わなかった達も悪いと言われ、二人とも先生の鉄拳をもらった。

「お前らは子供だ。。。どう背伸びしても子供だ。。。頼れよ、大人を。」

父親の声も、国松先生の言葉も俺には辛く重かった。

ストーカーをしていたあいつは、心に支障を来たし、ストーカーをしたことは
とんでもないことだが、もっと、早く対処していればここまでくる前に
救えたかもしれないと、父親があいつの親を説得して、
うちの病院の分院である精神科を併設した療養所をに入所させた。

「お前は、医者になりたいと言いながら、人を救うどころか、自分の未熟さを
顧みずに、人を真っ逆さまに落とすことしかできないやつだ。」

自分を省みろと言われた。

それから
俺の処分は国松先生預かりで、先生の実家である地方の寺にやられ、
バリカンで頭を剃られ、朝早く起きて、朝粥の支度から読経から、
掃除から、、、一日寝るまで
読経と掃除、、、
終いには何も考えられず、ひたすらに読経をするという、1ヶ月間の自主謹慎と
いう形で収まった。

学校に行くと、
みんなの視線が痛かったが、それは自分のせい。



達とも喧嘩をした。

西澤さんに今回の件で、いらぬことを言ったから。
彼女だけには、陸都のことを誤解してほしくなかったからと、達は言ったが
いずれ知られるにしても、自分の浅はかな行いを、言われたくなかった。
おまけに、俺の彼女への気持ちまでばらしやがって、、、

あの女弁護士さんの言葉の意味がよくわかった。

’いくら彼女と入っただけと言っても、何もなかったって、
それを証明することは、とても難しいでしょう。

あなたが入ったところは、そういうことをするところだから。
君は好きな人はいないの?
これを知ったら、きっと傷つくと思うのよ。
何気ないことで、これは何でもない事だから、大丈夫と思いながら、
大切な人を傷つけているの。

よく考えなさいね。間違いを起こすことだけが、罪じゃない。’

もう
西澤さんとは目も合わせられなかった。
< 71 / 117 >

この作品をシェア

pagetop