こんなにも愛しているのに〜私はましろ

私のこれからは続く

私の引っ越しは無事に終わり、
次いで父も家に落ち着いた。

理恵おばさんは、再び一緒に暮らしだした両親を見て、
’旬は過ぎているのに、新婚カップルのように、砂糖を吐き散らかしている。’

失礼な言い方をしていた。

私の新居は、
そんなに贅沢をしなくてもいいと言ったのだが、
母はセキュリティはしっかりとしておくようにと、父が言ったからと
オートロックで6階建ての4階、1LDKという学生には十分すぎる
広さのマンションを契約してくれた。

寝室にする部屋も明るくて広かったのだが、ベッド以外に何も置かなかった。
リビングに机や本棚を配置して、なるべく人が来てもくつろげないような
レイアウトにした。
ここは私だけのお城だ。

キッチンカウンターにも椅子を1脚のつもりが、母たち(母と理恵おばさん)によって2脚置かれ
リビングには2人掛けのソファまで置かれてしまった。

母や理恵おばさんがちょくちょく顔を出すと言って、私を憂鬱にさせた。

そうやって着々と身の回りを整えていった。

大学のオリエンテーションの前日。
西崎くんからスマホに連絡が来た。

同じところを受験することがわかり、
同じように合格をしたことがわかり、
これから他の学部より長く一緒になるから、よろしくと
西崎くんが私に声をかけた。

よかったらいろいろと情報交換もしたいから、
スマホの連絡先を交換してくれないか、
と彼が言ったので、私も断る理由もなかったのと、どういう経緯があれ
新しい環境で顔見知りがいることは心強いと思い、
彼からの申し出に気軽に応じた。

’明日、学校へ一緒に行かないか?’

簡潔な1行。

’いいよ。’

簡潔に答える。

そこから始まった私と西崎くんの大学生活。
< 80 / 117 >

この作品をシェア

pagetop