こんなにも愛しているのに〜私はましろ
大学2年のことだった。

私の両親、、、
あれから再構築をしていた両親。

驚くことに
母が妊娠をした。
母は面映い様子で私に妊娠を告げた。

夫婦なんだから、そういうこともあるだろうが、何だか
私の気持ちを思いっきり土足で踏み躙られたような気がした。

もう
私の帰る場所がなくなってしまった。。。
私一人が疎外感を抱き、母の妊娠を喜ぶことができなかった。
あの日
弟なんかいらないと願ったように、私の心の中にドス黒い点が
大きな輪となって、広がって行く。

両親の再構築はこれで成ったのか。
随分と
生々しく感じた。

思いがけない妊娠に戸惑いながらも喜ぶ母を
思いがけない妊娠に戸惑い不安しかない父を
激しく嫌悪した。

そんな自分の昏い感情を持て余し、
母の妊娠を聞いた翌日
初めて
学校をサボった。

本当は
どこか遠くへ行って、自分の気を鎮めたかった。

そういうこともできず、
部屋で一人ソファに座ってボ〜ッとしていた。

何度かエントランスのチャイムが鳴ったが、全て無視をした。
携帯の電源も落とした。

そんな中
しつこく、しつこくなるチャイム。
しかも
玄関。

最後には呼びかける声も聞こえる。

「西澤さん!西澤さん!!」

ドアを叩く音も、、、
これは近所迷惑になると思い、ドアを開けた。
声の主は陸。

「西澤さん、、、無事か?
携帯も繋がらない、エントランスの呼び出しにも応じない、、、、
大丈夫?

西澤さんが学校を休むこと事態が珍しくって、何かあったのかと
心配で、、、

とりあえず、開けろ!」

初めて聞く陸の乱暴な言葉と、怒った顔。

私は自分があまり物事を考えられなかった状態と
陸の初めて見る慌てっぷりに、何も考えずにドアを開けて
彼を部屋の中に招き入れた。

自分のお城に
初めて友人を招き入れる。
初めて異性を招き入れた。

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