こんなにも愛しているのに〜私はましろ
この母の妊娠期の思い出は
ほぼ多くの時が
体調が悪く、顔色も優れなかった。
いつもは
明るく溌剌として
軽やかな動作な人だったのに
口数も少なくって
私は
母が今日は元気でいますように、と
お祈りしながら学校から帰っていた。

時々
泣いてもいたし。

泣いているの?
って尋ねたら
泣いてないわよ。
目にゴミが入ったのかな、、、
て
毎回毎回
同じ言い訳をしていた。

そんなに大変な時でも
まだ
生まれてくる弟か妹に
私は生まれてこなければいいなどと
酷いことを思いながらも
本心は心の底から
誕生を待っていた。

きっと
生まれてきたらお母さんは元気になるし
私もお世話をする。
と張り切っていたのだ。

その頃の父の記憶はない。
今でもそうだが
当時も私の周りには
お父さんが単身海外赴任の家庭の子や
仕事が忙しくて不在がちな父を持つ子
なども何人かいたので
さほど不思議にも思わなかった。


妊娠をしている母と私
それに
理恵おばさんが
私の世界の住人だった。


< 9 / 117 >

この作品をシェア

pagetop