冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした
緊張が限界を突破して、身を任せるしかなかったが、はじめはくすぐったかった触れ合いも次第に体の芯に熱が灯るようになる。
どこまでも優しく快楽を与える椿さんも、だんだん吐息が熱くなって、キスも長く深くなった。
仮面夫婦として結ばれたはずの私たちに、こんな日が来るとは想像していなかった。恋は二度としないと決めていたし、愛なんていらないと思っていた。
それでも、かけがえのない夫と出会えた人生は、誰よりも幸せだと心から言える。
「愛してる」
「私も、椿さんが大好き」
ぎゅっと抱きしめ合って、笑みが溢れた。ずっと離れたくないと強く願う。
椿さんと会う前、だいぶ恋愛から遠ざかっていたこともあり、キス以上の行為に不安もあった。
しかし、その気持ちを汲み取るように、椿さんは時間をかけて触れてくれる。こんな大切にされたのは初めて。
いつのまにか不安は消えて、ただ彼に触れて欲しくてたまらなくなった。恥ずかしさのあまりねだることはできないけれど、きっと彼には私が欲しているのがお見通しだ。
椿さんの落ち着く甘い香りに包まれて、新婚旅行の初夜は愛に溺れていった。